創業のきっかけ
こんにちは。株式会社カンゲキエクスアール代表の内田滋です。
今日は創業のきっかけについてお話します。
きっかけは、新型コロナの感染拡大に他なりません。今まで味わったことのない危機に瀕している演劇をなんとかしたいと思ったのが動機でした。
演劇の危機、奇跡のはじまり
2020年春、飲食の経営をしていた僕自身も世界が終わると思いましたが、周りを見渡すと、演劇業界はすでに地獄の底に見えました。
役者の友達、先輩後輩は仕事がなくなり、生活の支えとなるアルバイトも取り上げられ、目から光がなくなっていました。
「なんとかしたい。でも、どうすれば・・・」そんな想いを抱きながら悶々とする時間が過ぎていきました。
色々と調べていくうちに、きっかけはコロナに違いないのですが、「原因そのもの」では無いのではないか、と気づきました。
コロナのもっと前から、スマホの普及に伴ってエンタメがどんどん変わってきていて、最近ではTikTokやYouTubeの台頭が目立ち、長年エンタメの頂点に君臨していたテレビが傾いてきました。
更にコロナの蔓延でデジタル化が加速することによって、テレビに出たいと思う人(歌手や俳優を目指す人)が減り、YouTubeや TikTokに出たい人が圧倒的に増えてきています。
全てはスマホやタブレットに集約され始めていて、テレビドラマも然りですが、演劇は衰退の一途を辿っているように思えます。
「なら、演劇もデジタル化していかないとこの先はない」と強く危機感を感じました。
しかし、僕自身、演劇の配信を観たいと思ったことがなく、「演劇配信は、画角(ビジョン)が決まっているから演劇の良さが伝わらないんだよなぁ」と心の中で呟いたとき、ハッとなりました。
『画角を自由自在にズームアップやスクロール出来れば、スマホやタブレットの世界でも演劇は戦えるんじゃないか』
システム会社と打ち合わせをして、テクニカル的に可能と知った足で書いたこともない事業計画書を書き、史上最高額の「事業再構築補助金」なるものに応募しました。
余談ですが、この頃は仲間がいなく、アイディアが思いついてから一年以上、ずっと一人で、暗闇の中を手探りで歩いている感じでした。ネルケプランニングの社長に会いに行った時も、「誰か一緒にやってくれる人はいるの?」と聞かれ、「誰もいないです。1人です」と即答したのを思い出します。
今は心強い仲間たちがいます。これだけでも奇跡です。感謝。
2021年9月、再構築補助金が満額で採択され、その補助金でアプリの開発を進めることができました。
そこからは奇跡の連続でした。
辛くしんどいことが起こっても、神様が、この事業を僕にやれ、と言わんばかりにコトが進んでいきました。俳優と飲食店経営しかやった事がなく、事業の右も左もわからない僕が、今こうしてスタートラインに立てていること自体が奇跡ですが、この事業に関しては、すべて必然なのかも知れないとも思います。
大袈裟ですが、「僕が芝居をやっていたのもこの為だったんじゃないか」とも思うくらい、何かの力に後押しされているように感じます。
もう、やるしかないですよね。